シチュエーションがよく似た2本の映画です。
両方とも、DVDで観ました。
共通しているのは……死期を迎えた老いた父親と自立した息子、
ソリが合わず不仲だった二人、
この少し不器用な親子関係をぎこちなく修復していく過程を
切なく可笑しく丁寧に描いている点。
でも、手法が違うのです。
「Big Fish」はティム・バートンの作品。
とても好きな監督です。
彼が優れているのはもちろん、
個人的な嗜好が合っている感じ。
ナンセンスとシリアスの境界線(があるとしたら)を
反復横跳びしているような遊び心が楽しいのです。
それでいながらエンターテイメントに仕上げている、
仕事きっちり感も心憎い。
この映画も、父親のホラ話というバックグラウンドを活かして、
エスプリの利いたシュールでナンセンスなエピソードがてんこ盛り。
しかも、それらがホロ苦スパイスとなってストーリーを
引きたてています。
見事な大人向けファンタジーだと思います。
一方「みなさんさようなら」はフランスとカナダの合作映画。
アカデミー賞の外国映画賞を獲ってます。
こちらは現実的。誰もが持ち合わせる強さと弱さ、
愛情と憎悪を淡々と描き、「生」のリアリティから
人間の本質を導き出そうとしています。
一般的には非道徳的とされる部分にも光を当て、
命の主体が個人に帰することへの共感を呼び覚ますストーリー。
でも、決して暗くて悲しい映画ではありません。
日常から滲み出てくる悲喜こもごもな感情が縒り合わさり、
親子の絆が築かれることを教えてくれます。
これも、大人なら感じ入る一本でしょう。
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